ハスクバーナでジムカーナ!

モトジムカーナに参戦しています。
10年度最終戦でB級昇格を決めたDR-Z400SMからハスクバーナSM450Rに乗換てA級を狙っています。

マシンを改造したりセッティングしたり、乗り方を工夫したりする話。
大会でのリザルトと動画が話題の中心です。
モトジムカーナ全般の話もします。

想定する主な読者はハスクSM450Rやモトジムカーナに興味がある方、すでに参戦を始めているジムカーナ選手です。

関東だけでも7台以上、全国合わせれば二桁にまで増えてきたジムカーナ仕様のハスクですが、ジムカーナDRZの元祖のHPのような情報が未だにありません。
これからハスクに乗り換えてみようと思う方やセッティングなどで悩んでいる方と情報共有していける内容になればと思います。

2013年2月28日木曜日

教える人によって言う事がバラバラ

タイトル通りの事を思うノービスは多いのです。
私もそうでした。

ナントカ練記事のアドバイス4点は、私にとってはほとんど誰もが同意する鉄板アドバイスのつもりでした。

前回の記事を読んだ講師の言う事がバラバラ。

2と3のフォーム関連は一致したものの、1のアクセルクソ握りはA級クマさん自らやっており、4のハンドル入力はぴたははさんが使い分けていて必ずしも使ってない。

う~ん。アクセルクソ握りは上位でも使う人はいると書いていて良かった。
しかしハンドル入力については「ノービスに教える必要はない」なら分かるものの、B級以上には必須項目だと思ってました。


参加者の方でタイトル通りに思って困っている方に再度アドバイス。

綺麗事だと「色々な乗り方があるので、自分にあったものを採用してください」ですが、自分にあったものを選べるなら悩まないって話だと思います。

そこで個人的オススメ「クラスが上の選手、現時点でタイムが出ている選手の意見を採用するのが無難」です。

スポーツなんで結果が伴わない理屈をこねても評価しようがありません。
逆に速い選手の言うことは、それなりに合っているんだろうと判断できます。


もちろん中には速くてもどう見ても身体能力でマシン押さえつけてるだろ!って選手もいますから、その手の選手の超感覚アドバイスを貰っても長島茂雄に師事するような事になります。

名選手名監督ならずはスポーツの常ですが、他の競技のようにコーチや監督としての教育や評価を経た人がいないので、とりあえずは選手として優秀という点で判断するしかないのです。



ちょっと話が逸れますが、2ちゃんねるバイク板ジムカーナスレの欠点はここです。

2ちゃんねる自体には、書き込まれた内容のみで評価が決まるため権威による説得ができない非常にフラットな場というメリットがあります。
玉石混交の極みですが、例えその道の権威であってもレス内容に説得力や整合性、引用ソースがないと相手にされないし、無名でも理路整然と適切なソースを引っ張って来れば評価されます。
これは過去になかった場所です。

しかしジムカーナのように机上の空論よりタイムという明確な指標がある場合はこれがデメリットになります。
見る人が見れば、というより、現実に参戦しているシードが見れば「わかってるレス」と「部外者のレス」は確実につきます。
しかし未経験者や新規参入者は違います。

どのバイクが向いているの、タイヤはどうすればいいの、リーンアウトだウィズだと定期的に繰り返されてますが、答えているのが誰かわからない。
つまり130%のノービスかもしれず、下手すればジムカーナ未経験者が想像で答えているかもしれません。
逆にA級がトップ勢が使っているノービスがマネしようもないテクニックを答えているかもしれません。
レスの内容だけで成否を判断するのは(少なくとも2chジムスレで質問する人には嘘を嘘と(ryより)難しい、どころか無理。

逸れた部分とまとめるとアドバイスの内容を自分で吟味するのではなく、誰が(どのクラスのどの位のタイム比の選手が)くれたアドバイスかで軽重つける方が手っ取り早いし無難ですよと。

以上、ナントカ練のデモ走行で遅かった私のアドバイスは忘れていいですよって話でした。

2013年2月25日月曜日

ノービス選手にアドバイス@ナントカ練

ナントカ練習会、通称ぴた練の講師をやりました。
ノービス34名に講師がA級3人、B級3人。なかなか豪華です。

ノービスと言っても、昨年度のD杯で一勝を上げているMTMT選手のデモ走行に対して109%台に叩き込むアラシ君

からジムカーナ未経験、どころか免許も持っていない15歳まで幅広い参加者でした。


2時間ほど8の字を見ていたんですが、共通して指摘した事が多いのでまとめます。

その1。
スロットルをすべての指で握るのは勧めません。
シードでもいるので絶対にダメとまでは言いませんが、上位ほどこのタイプは少ないので早めに癖にしたほうがいいです。

ジムカーナは例えばmotoGPのようにストレートから何秒もフルブレーキしたり、フル加速で何秒もブレーキを触れないという場面がありません。
なのでブレーキをリリースして指をアクセルグリップに戻し、またブレーキのために指を出すのはロスになります。

一番定番のブレーキ操作は人差し指、中指の2本がけで、これは多くの参加者が出来ているのですが、スロットルに指を戻してしまっている方が半分以上いました。
指を出したままアクセルを開けると、ブレーキレバーから離れる(と言うか浮くと言うか)のですが、スロットルを戻せば自動的に指がブレーキレバーにかかるので、こっちがお勧めです。

その2。
イン側の肘が自分の脇腹にあたってしまっているフォーム。
これはHMSや講習会でも言われると思うのですが、セルフステアも止めてしまうし、肩が回らなくなります。極端な例がモトクロスの肘を真横近くに上げるフォームですが、少し肘を横に張って逃がしてあげると良いでしょう。

その3。
肩が回ってない。そのせいでリーンアウト気味。
ハンドルバーと同じ角度になるようにひねりましょう。
上半身をひねりこめば、自然と荷重がイン側に入ってリーンアウトも治ります。


その4。
ここからちょっとハイブローですが・・・
ハンドルロック中、特に回転時にはハンドルを腕力で抑えましょう。特にモタード。
アウト側の手、右回転であれば左手でハンドルを右下方向に向けて押し込みます。
回転後半は侵入、ブレーキで作れていたフロント荷重がなくなってしまいます。そこで人間が押し込んでフロントサスとタイヤを路面に押し付けるのです。

ハンドルに力を入れるな、とHMSや講習会では言われるますが、ジムカーナの場面では必須です。
ハイグリップタイヤを信じて思いっきりハンドルを押し付けてみましょう。
驚くほど旋回するか、なすすべもなく地面とお友達になれます。

回転でこけても痛くないし、一定の転倒はスポーツの一部と割り切りましょう。
そして間違っても公道で同じ操作はしないように。


何人もの方に伝えたのはこんな所でしょうかね。

しかし皆さん熱心でよく転んでました。普段私が参加するシードのみの練習会より転倒が多いくらいそこら中でガシャン、ガシャンやってましたね。
まさにorzって感じ。


この2人は一日何回転べば気が済むのかって位こけてましたね。





そして私も参加者のバイクをコカしました。

見ているだけだと、操作が悪くてダメなのか、マシンが悪くてダメなのかわからない事もあるので、試乗させてもらったわけです。
実際私がノービスの頃も、自分が悪いのかバイクが悪いのか判断できず、上位勢の乗ってもらってました。

で、こちらのVTR250に乗って8の字やって勢いよくフロントからズザー。

(被害者の男性&VTR)
やっちまった感で一杯でしたが、快く許してもらいました。ま、許すしかないんでしょうけど。

そんなイタイケナ参加者相手に私はこかしたVTRを見て
「フロントタイヤ減りすぎだよ。これはそろそろ変えたら?」
と得意の「モノのせい、他人のせい、自分は悪くない。」を炸裂させました。


結局VTR2台、DRZ2台に乗りましたが、DRZ1台以外は非常の乗りやすいバイクでした。
イマイチに感じた1台は、気になる事を伝えた上で、別のモタード乗りの講師クマさんへパス。
試乗して感想をもらうように伝えました。

後でクマさんと確認したら、クマさんはあまり気にならなかったそうでした。

セカンドオピニオンを取ってもらって正解でした。
同じモタード乗りでも好みのセッティングもマシンも色々なので私がダメでも他の選手なら良い場合もあるからです。

ジムカーナでは誰が乗ってもダメっていうセッティングと、自分にとって良いセッティングがあり、万人に向くセッティングは(ほとんど)ありません。
最初のうちは、万人にダメダメなセッティングじゃないって事を確認しておけば安心して乗り手の練習に励めるんじゃないかと思います。



ちなみに私を含めてシードの多くは他人のバイクに乗るのも嫌いじゃありません。
仲間同士で貸し借りしてセッティングの参考にすることは良くあります。

ただ激しく攻めるわけじゃなくても、ある程度攻めないと状態は掴めないし、ジムカーナは転倒が大前提なので、借りたバイクをコカしてもよっぽど機能部品が壊れるとかじゃない限り、お互い様という共通認識があります。

なのでノービスの方も、こかされる覚悟がある方は私に限らず声をかければ乗ってもらえると思います。



普段のジムカーナでめったに見ないキレイなグラディウスが気に入っていっぱい写真を撮りました。
走りもきれいに乗ってましたね。





技術はあるのでここからマージンと余裕を削っていけばジムカーナらしくなると思います。

2013年2月21日木曜日

GSX-R750 VS GSX-R1000 その1

選手しか読んでないんじゃないかと不安になる日々ですが、選手以外の一般層も想定読者です。

今日のお題は最も有利なSBバイク(700cc以上またはNC700シリーズ)はどれか?です。
タイトル通りに絞ってしまいますが、答えはGSX-R750 or 1000 に絞られるだろうと思っています。

リザルトから言えばZX10Rが最有力候補なんですが、こちらは04~05モデルが大半、06~07モデルがやっとこ3台しか実戦車がない事から、すでに9年前のSSを話題にするのもなんだかな~っと軽くスルーします。


以下、机上の空論編(スペック厨編)、データ解析篇、試乗経験編の3本立てで行きます。


机上の空論編。

GSX-R750の圧勝です。
ジムカーナで使う出力は良い所7~80馬力程度と言われています。
100馬力超えたらもう何でも一緒です。

ジムカーナの競技特性的に、最高でも100km/h出ることはマズマズありません。
つまり鬼ショートの特注スプロケ当たり前のジムカーナ仕様であっても、600以上のSSに乗れば2速を使うことはないのです。
(例外はあるもので、過去にキョウセイ交通大学が会場のコースでSSでも2速130km/h位からのコーナリングがありましたけどね。
私はDRZ400SMで4速全開から2速に落とすと言う人生初チャレンジをぶっつけ本番でやる羽目になりました)

990cc時代のmotoGPマシンは4速以上でしか全開にならない制御が入っていたと聞きますが、市販車であっても750cc150馬力の1速全開に耐えられるタイヤやアンチウイリー機構はありません。
当然1000cc180馬力であってもタイヤは滑るしフロントは浮くので、結局路面に伝えられる出力は750も1000も変わりません。

という訳で1000の最大のメリットの出力はメリットにならないのです。むしろありすぎるパワーは開けにくさにつながり易いのでデメリットにすらなります。

それ以外のスペックでは車重、ホイールベース、車体サイズ(特に横幅)というジムカーナ重要スペックの全てでR750の圧勝。

私はスカイラインGT-Rに憧れた学生時代から割にスペック厨で、乗ったこともないクルマやバイクをカタログスペックでアレコレ比べるのが大好きですが、ことジムカーナで考えると1000のメリットが全く思いつきません。


データ解析篇。
と言いつつ、本当はやろうと思ったリザルトの数値から統計解析は面倒なのでパス。暇があったらR750とR1000(またはリッターSS)のタイム比並べてT検定でもしてみたい。

さて、勝ったやつが偉い。リザルトが正義。これが競技です。
そこで過去のリザルトを見てみましょう。
ある程度成績が安定するB級以上、SB級の場合は105%切ってB級になれる選手はほぼ確実にA級に上がるので、実質A級で見ていきます。

GSX-R750で勝った、昇格した、活躍した選手。

ぶん田さん(http://zrx-drz.at.webry.info/)
05年式R750でSB級圧勝。
しかしZRX1200でSB級チャンプを取る選手なのでR750で勝っても、もはや参考になりません・・・

HSZW選手
上記ぶん田さんのR750を引き継ぎSB級圧勝。
しかしCBR900を駆って唯一ぶん田さんに対抗できた選手です。
R750で勝っても当たり前すぎてやはり参考になりません。

ぴ選手
08年式R750でデビューし、わずか2年でA級に上り詰め、その2年後にはSBチャンプを取るという近年稀に見るスピード出世の天才肌。
やはり人が特殊すぎる気がする・・・。

TKMR選手
R1000を2世代(05年式03年式)乗り継ぎ、11年式R750に乗り換えたA級選手。
面白いことに、乗り換え前後で成績があまり変わっていません。
乗り換え直後はセッティングが必要なので多少落ちていますが、マシンが遥かに軽くなったはずなのに、大きく上がってはいないのです。

社長(http://ameblo.jp/gogokimuko/)。
ジムカーナの顔でもありSBの顔でもある長老です。06年式R750にも乗っていました。
が、R750時代はかなり低迷していました。
結局乗り換えたZX10Rで久しぶりの優勝を飾るなどR750に不利なリザルトを作っています。

対してGSX-R1000。
TKMR選手は上記の通りです。

SGMT(旦那)選手。
04年式YZF-R1から09年式R1000に乗り換えてすぐにSB優勝しました。

SGMT(嫁)選手。
GSX-R600から03年式R1000を経て12年式R1000に乗り換えています。
03年式でSB優勝しています。

他にもR1000、R750を使った(使っている)選手はいるんですが、全般に「R750に乗り換えて成績を上げた」という選手は目立っていません。
「R1000に乗り換えて成績を上げた」はそれなりにいます。

これにZX10R勢を加えて考えると、R750はリッターSS勢に対して競技経験上有利と言えるようなリザルトを残せていません。
対してリッターSS(10RとR1000で顕著で、CBR1000は数がいない上にリザルトも残念な感じ)は参加台数の上でも、成績貢献度でもR750より有利と思われるのです。

このあたりは毎戦参加している選手なら思い当たる事もあると思うのですが、R750最強説がリザルトの裏付けに乏しい事に気付きます。


試乗経験編。
つい先日、バンパー、アップハン化、スプロケ変更のみの100kmちょっとしか走っていない新車11年式GSX-R1000に試乗させてもらいました。
ジムカーナ選手の感覚だと改造やセッティングと言われるものがまだされていない素の状態です。

似たような素の状態の11年式R750、ぴ選手の弄り倒した08年式R750、C2選手の04年式R1000、ZX10Rに乗っているのでインプレしていきます。




長くなったので、続きはまた後日。

2013年2月9日土曜日

メディアへの不信

雑誌やWEB媒体を含めたマスメディア、プロと自称する書き手、金をとって文章を書いている書き手への不信感が強いです。

ここ何年かの政治、外交ネタでのメディア不信が盛り上がっていますが、そっちは置いといて、バイクのことだけで。しかもジムカーナ関連限定。

以前から「これはジムカーナに向く」とか雑誌やメディアが運営するサイトで散見しては呆れかえる、という事を繰り返しています。
事実ではない、取材もしていない、データにも当たっていないと思われる事例が多いんですよね。


ちなみに私がCB750でジムカーナを始めた直後に、モーターサイクルショーで「タンデムスタイル」という雑誌の取材を受けました。
で、まだ一戦しか出ていないジムカーナ出場の事を話したんですが、発売された雑誌には「CB750はジムカーナでも人気」とありました。実際には2台しか出ていない上、一人がノービスの私で、もう一人もC2。これで人気とはどういうことか。

その後にもダンロップ大会の冠スポンサーである「オートバイ」紙ですら「CB750はジムカーナで人気」的な事を書いていました。
自誌の冠大会のリザルトすら見ていないのでしょう。

ストリートファイターがジムカーナ向きとは言えない、わざわざと書いているのもメディアやそれに影響されたジムカーナを知らない方の誤解があるからです。

例えばここ(http://www.bmpaddock.com/newmodel-streettriple675r.html)
ストリートトリプルに関する記事です。
引用します。

サーキット走行も、ジムカーナもOK!

エンジンだけではなく、ハンドリングも“執事”のように言うこと”をよく聞いてくれます。

クネクネしていてアップダウンの多い3ケタ国道もお手のもの。頭を車体のセンターに残しつつリーンウィズからリーンアウトに移行すれば、見通しの悪いタイトな下り坂もクルリと曲がれます。デイトナ675を含めて、ほかのバイクだったらちょっと気をつかうような場面でも、ストリートトリプルRならジムカーナ感覚で自由自在に楽しめてしまう♪-----この差は実に大きいですね。

前述したエンジン特性に加えて、アップライトなライディングポジション、踏ん張りやすく曲がるキッカケを与えやすいステップ、滑りにくいシート、フルアジャスタブルな前後サスペンション、最高峰のスポーツタイヤが、有機的に絡み合っているからこそです。
中略
あえて言えば、取りまわしやUターンのときにハンドル切れ角の少なさを実感しますが、そのぶんブレーキやハンドリングのフィーリングが素晴らしいのですから、我慢することにしましょう。

引用ここまで。

もうツッコミどころ満載。

ハンドル切れ角というジムカーナで最重要なスペックを(Uターンのときにハンドル切れ角の少なさを実感します)と書いておきながら、ジムカーナもOKで、ジムカーナ感覚で自由自在、とはいったいどういう事か?
A級(http://star.ap.teacup.com/tabibito/)の魔改造を前提に、フレーム、三股を削って切れ角増やす事まで前提として、ジムカーナもOKというなら、大概のバイクは魔改造すればジムカーナもOKで、ジムカーナ感覚で自由自在になります。

「ほかのバイクだったらちょっと気をつかうような場面でも、ストリートトリプルRならジムカーナ感覚」
というのも意味がわかりません。

ジムカーナ感覚ってなんでしょう。

ジムカーナに特徴的な場面や操作って、ハンドルロックでの旋回、それを維持しての360°以上の回転、一速全開走行、膝をスらずにステップをするフルバンクなどが思いつくんですが、ほかのバイクで気を遣う場面はみんなトリプルでも気を遣うだろう。

というもの、やはり改造パーツであるアイドルアジャスターを使わないと、ハンドルロックでの旋回がちょっとやりにくいから。
低速トルクがあってレスポンスも良いせいで、ノーマルアイドルだとロックして旋回中に失速を避けるためにアクセルを当てるのに神経を使います。ストリートトリプルはわりとドンつくし。

一速全開にしても100馬力を超えるストリートトリプルでやるのはかなりのスキルと度胸と状況が必要ですな。
よりローパワーのバイク、例えばER6とか、それ以下の馬力のバイクの方が怖くない。


さらにそもそも論ですけど、ジムカーナの操作じゃなく、感覚ってなんだと。

ジムカーナって「タイムトライアル競技である」「コースを歩いて下見して2回しか走れない」が非常に重いんですよ。
だから選手は初見のコースでラインとか挙動を一発で決められる従順さ、多少のミスが出たときにリカバリーしやすい寛容性なんかを重視します。

初めて走るコースでノーミスはほぼありえないからです。

練習会だと走り込めますが、走り込まないとタイムが出ないセッティングを避けるというのは選手が必ず意識する点です。

つまりジムカーナ感覚で自由自在なマシンとは、ミスが出にくく、出てもリカバリーが容易で、初見のコースで一発でタイムをまとめられるマシンです。



この記事を書いた方はジムカーナの経験、せめて見学や取材をしたことがあるのだろうか?
おそらくないだろうな、と思います。
そして想像だけでジムカーナ感覚を決め付けてる。

実際にやっている側からすると、非常にイラつくわけですよ。


ジムカーナ経験もある、みたいな紹介をされている記者やイントラなども見かけますが、本当にジムカーナ経験があるのか、疑ってしまいます。

キャッチボールを「野球の経験がある」と言ってしまうように、練習会どころか講習会やHMSでスラロームした事があるだけでも「ジムカーナ経験がある」と書かれてしまうと、二回だけのタイムアタックがジムカーナなのに、それも知らずにジムカーナを語ってくれるなよ、とぼやきたくもなるってものです。

ストリートファイターやSSベースネイキッドがジムカーナに向かない理由:具体例

私と同じB級選手が面白いデータを出してくれました。

彼はジムカーナをFZ6フェザーで始めてC1まで昇格。
YZF-R6へ乗り換えてB級に昇格しています。

ヤマハの600ストリートファイターとベースのSSを乗り継いでいるわけで、以前書いた(http://husqvarnasm450rgymkhana.blogspot.jp/2012/10/ss.html)ストリートファイター論を実証してくれています。

では転載。
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なんか最近、事務車製作の費用について書くのが流行っているようなので便乗してみようと思います。

自分の場合、ネイキッドとSSどちらも作ったのでそういう比較もできるかな?

まずはジムカーナをはじめてから3年間お世話になったバイク
「FZ6」について。
買った当初はSS譲りのエンジンを低速トルク重視に振ったエンジンそれなりに軽い車体です。
ツーリングもジムカーナもそれなりにこなしてくれるんじゃないか?
なんて思ったものです。

車体は新車で乗り出し95くらいです。

ここから速くするためのカスタムです。

まずは必須アイテム、バンパーで4だったかな。
さらに必須装備のファイナルとチェーン(520化)で3です。
あし回りの調整がほしくなりプリロードアジャスターで1、
シングルレートのバネに変えて2でした。

ここまででC2です^^;

ここでハーフカウルだったFAZERからネイキッド仕様へ
するために4です。

実はここまででC1になりました。

でもここからタイムが伸びずにいろいろやるわけです(笑)

まず前後のあし回り
フロントをフルアジャスターのR6化(ヤフオク)に5ほど
リアサスもオーリンズ(友人から)で3、オーバーホールに2なので合計5です。

ここでやっちまったのが
エンジンブレーキ軽減策、
STMスリッパークラッチが7、セカンダリー変更で1の合計8・・・^^;
正直いらなかった・・・

最後にリチウムバッテリーで2、バッテリーがタンクの裏にあるFZ6ではこれは効きました。

車体を速くするカスタムということで言えば
こんなもんでしたね。
サス関連は中古なのでもし新品買えば15は余計にかかったと思います^^;

てなわけでカスタムとして 34 ほどかかっており合計は 130 ぐらい…計算するんじゃなかった(笑)

修理やランニングコストは含まれていませんが車体作りはそんなトコです^^

でも残念ながらここまでやっても最高タイム比は107パーセント台でした。
やってから気づくのは所詮ネイキッド、スポーツバイクには軽さもパワーもかないません。
重さが故にツーリング、自走は楽でしたけどね^^
一番きついのは重心でした、車高が高くマスもずいぶんと分散化されています。そのため特に切り返しがしんどいです。
乗り手の問題もあったのでしょうがここでフレームのクラックにより挑戦を断念。


ここで見た目だけで乗りたかった「YZF−R6」になります(笑)

まずは車体、中古でしたが乗り出し90でした。

カスタムとして必須系は以下のとおり
やはりバンパーが4です。
ついでにリアスライダーもつけたので1。
ファイナル、チェーン(520化)変更で3。
SSなのでABMのアップハン化に8かかります。
アイドリング調整機構作成は0.3程度意外と安いです(つけやきばだけど)

実はこの必須系のカスタムだけでB級になりました。

あとは一応ECUのレーサー化と
パワーコマンダーを入れており5ほどかかっているのですが
まだほとんどいじってません^^;(ここまでならいらなかった^^;)
さらにシート加工で0.3。

速くなるカスタムはこの辺ですかね。

というわけでカスタム合計は21.6。
車体とあわせて約111ですね。
まぁでも新車だと乗り出し130ほどかかるはずなので150程度となるんでしょうかね?

今のところベストタイム比は104%。

やはりSSはメーカーの威信をかけた製品なので
改造が少なくてすみます^^
最初からできすぎた足回り、調整もし放題、すさまじいパワー、軽さ!
すべてがネイキッドを凌駕しています。
これがスポーツバイクなんだなって実感するものです。

その代わりランニングコストとしてガソリンや消耗品、各種補修パーツはかかる傾向にありますけどね^^;

FZ6に劣る点としては燃費と音量でしょうかね。
やはりツーリングには向かないです・・・行くけどね!!




総括としては
わかっていましたが、レース目的で買うならネイキッドよりSSなのかなってとこですね。
車体は高いけど改造コストは安いし、限界も高い。
上を目指すことも容易になることを考えれば選択としては当然なのかもしれません。

でもまぁひとつだけ言えることは・・・

「VTR」っていいよね♪

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仕込んだんじゃないか、と思うほど私の以前の主張と同じです。

ストリートファイターのFZ6は

やってから気づくのは所詮ネイキッド、スポーツバイクには軽さもパワーもかないません。 
一番きついのは重心でした、車高が高くマスもずいぶんと分散化されています。そのため特に切り返しがしんどいです。 

対してSSのR6は


やはりSSはメーカーの威信をかけた製品なので 
改造が少なくてすみます^^ 
最初からできすぎた足回り、調整もし放題、すさまじいパワー、軽さ! 
すべてがネイキッドを凌駕しています。 
これがスポーツバイクなんだなって実感するものです。 

これが現実です。

ただ、未経験者からのコメントへ回答しているんですが
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今回の日記はそれこそA級はB級を目指すならというあまりにも本気な方々の一例です(笑)

基本的に敷居が低い競技なので
今あるバイクをお金かけず、そのまま持ってきても
十分にジムカーナは楽しめます!
始めるときはみんな基本ノーマルですから。

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という訳で、ジムカーナに向いていないと言っても、A級、B級を目指して純競技として取り組む選手と、まずはジムカーナをやってみたいという方では受け取り方が変わってしまいます。

上位選手ほどテクニックがあって当たり前になり、マシンやセッティングで成績が浮沈しますが、ジムカーナ自体は二輪モータースポーツの中ではマシンの成績への影響度が非常に低いです。

始めてみたい方は、とりあえず今乗っているバイクで練習会に参加するのが一番です。
本当にマシンに不満を覚える頃には、自分なりの選択眼が育っていると思いますので。



2013年2月5日火曜日

SBとハスクのコスト比較

2012シーズンのJAGE杯でSB級全勝優勝のチャンピオンから貴重なデータを頂きました。

SB級トップ選手のマシンにどれくらいのコストがかかっているか、以下許可を得て転載します。


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じゃぽくんが昨日質問してきたのですが、
その理由がブログを読んでわかりました。
これはまじめに答えたほうが良いと思ったので、
調べなおしました。

問「この車体にいままで、幾らかかってますか?」

2009年1月に、ヤフオクで車体を落札してから、今現在で丸4年間。
数々の変更追加をしてきた総額は、、、

122です。(万円をつけると頭がクラッときそうなので)

おおまかな内訳でいうと、車体が63。
ジムカーナで「勝つため」のカスタム費用が59。

59の内訳を見てみます。
落札した車体は走行距離3万キロオーバーでした。

「勝つため」に少しリフレッシュが必要と判断し、各種のベアリング交換、
フロントフォークの分解オーバーホールをしました。これが12。

さらにの「勝つため」の悪魔のエンジンチューンで11。

59−12−11=36

この36のうち、とりあえずなくてもいいかなというのが、
リアのオーリンズで中古で8。

36−8=28

この28でリッターSSをカウルレスのアップハンドルにし、
バンパーを含めた転倒防止策をこうじ、適切なギヤ比にした
ジムカーナマシンにできるってことかな。

ただこの28の中には、最初は必要ない、必要を感じないパーツや、
トライしてエラーした部品も含まれていますので、もう少し
下がるかもしれません。アッパーカウルもそのままなら
さらに下がるかもしれません。

また自分の持ち出し金額としては、
いまの10Rがそこそこカスタムバイクでしたので、
そのパーツを売ったり、GSFの部品を売ったりで
22の費用捻出ができましたので、

ちょうど100!

いままで転倒して、大きな故障なし。
ステップ、レバー等の交換部品は含まれていません。
練習量によりますが、タイヤ代は年間30は覚悟してください。。。

じゃぽくん、こんなんでどう?

(追記)
下記2点足して、122+7=129でした。

前後予備ホイール 5.5
消耗品ではないととらえるなら、リチウムバッテリー 1.5
いずれもすぐにはいらないパーツなので、
カスタム初期投資費の28は変わりません。
あとからいじったり、付け足した金額は66ですね。

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正直な感想としては「だいぶ安いな」でした。
格安の中古車を買って、そのリフレッシュに12万。
実質の改造費は47万です。

一般のバイク趣味の方からすれば、どっちにしろべらぼうな改造費かもしれませんが・・・

私のハスクは車体乗り出し103万。
ハスクレーサーパーツ扱いのアローフルエキ30万。
マルケジーニホイール25万。
スリッパークラッチ15万。
足回り変更9万。
ハンドガード、バンパー、アップステップ、スプロケなどなど9万。
もろもろ入れて総額で200万前後、改造費で100万くらいです。

ハスクは初期不良が多数出て、新車で買っていたから助かった部分がかなりありました。
ジム仲間にも「ハスクは新車に限る!何から何まで自分で治せるならともかく。」と言っています。

それを考えてもアップハン化などが不要なモタードとリッターSSの改造費でこれほど差がつくとは思いませんでした。

リッターSSは新車で買うと150万近いので、新車で比べれば似たようなものか、ややSSが高いって所でしょうか。
もう7年前ですが、当時新車のZX10Rが130万位で、とりあえずのジム仕様にして走り出すのに180強と聞いているので、新車価格の上がった現状だと200は用意したほうが良さそうです。


イニシャルでほぼ互角としてランニングコストはどうでしょうか?
以前乗っていたDRZはここが極端に優秀でした。
まずモタードは転倒コストが安いのです。

転倒大前提のジムカーナは、同じく転倒大前提のオフ車と相性がいいようで、1万円のハンドガードさえつけていればマシンはまず壊れません。
対してSSはステップ、レバーなどを始め、ちょこちょこ交換しているようです。これが地味に効きます。

そしておそらく最大の差はタイヤ。
モタードがリア150(一部は160)に対してリッターSSは180(一部は160や190)なので、1万は違います。
さらに重く、高出力なSSと軽いモタードだと減り方も違います。
SBチャンプが年間最低6セットとの事ですが、私は年間5セットで行けます。
(但し実際には新タイヤのテストやらがあるので、もう1セットは使います)

つまりリッターSSはタイヤだけで年10万余計にかかるわけです。

DRZならここで終わって、「やっぱりモタードは安いね」で終わるんですが、ハスクは違います。

メンテナンスコストが最大の問題。
少なくとも国産SSでエンジンを開ける必要が生じることはめったにありません。
もともと品質が高い上に、ジムカーナだと高回転側を使うことが少ないので消耗しないのです。
YOU TUBEで有名な志賀選手は3ヶ月に一回のオイル交換のみでOKだと語っています。

ハスクやCRFなどレーサー系モタードは周囲を見ていると2~3回の走行でオイル交換です。
使用量が少ないとはいえ、月4回は乗るとして、3ヶ月で5回はオイル交換。
全部自分でやっても2万は飛びます。年で8~10万。

エンジンそのものもDRZでも年1の腰上OH、2~3年での腰下OHが推奨です。
頻度自体はハスクも同じで良いんじゃないかと思いますが、腰上もDRZなら5~8で済みそうなものが15~20見たほうが良いようです。

う~ん、ランニングコストは実はリッターSSの方が安いのかもしれません。
DRZはもちろん、CRFやWR450Fみたいな国産ならかなりマシになるのは間違いないんですが、ハスクの大食いはどうにもなりません。


Z1000からDRZに乗り換えた理由の一つにコストがあったはずなんですが、残念ながら今の私のモタードでのジムカーナライフは、業界でもほぼ最高に高コスト体質のようです。



やっぱり、適当なタイミングでSB目指そうかな、と思わずにはいられないな。
いや、ここに来てタイムも良くなってきてるんでハスクで頑張りますけどね。







追記。
SBチャンプから修正を頂きました。

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タイヤの本数は6セットじゃないよ。
7セットと書きましたが、シーズンオフも入れると
8セットは買ってますね。ごめんね。

一昨年は、D杯SBチャンプ狙い、J杯ではキングと勝負で
ジムカーナ人生で一番タイヤ買いました。
1戦少ないけど、やっぱり8セット買ってました。

(中略)

あとに、大会後のタイヤを練習タイヤにするんだけど、
それでももたない時は、中古タイヤも数本買ってます。
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4.5万が8セットで36万か・・・世の小遣い3万のお父さんが泣いてしまうな。

さらにB級ぴたはは(http://pita.paffy.ac/)からもレスポンスが

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じゃぽにかのDR-Zに関するランニングコストはちょっとフェアじゃないかな。
あと5年DR-Zに乗ってたら、多分数倍のコストは掛かってたと思うよ。
それくらい状態はひどかった。
DR-Zでも競技に使うなら、一般的にもっとコスト掛かると思う。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2年前に私のDRZが彼のもとにドナドナされていき、一ヶ月後にはエンジンが潰れるという素敵な出来事がありました。
売り抜けた、というんでしょうかね。

たしかにDRZも3年ちょうどで手放したので、コストが掛かり出す前にコンバートした感はあります。
が、DRZとハスクの違いは部品の価格と納期。
当たり前に3ヶ月待たされたりするらしい上、似たようなパーツがスズキの1.5~3倍位します。

さすがに公道市販車のDRZと比較するのはどうかと思うのでCRF450XやWR450Fと比べると、おそらくメンテ頻度は同等。
エンジンOHなどの部品コスト差で年数万ずつ余計にかかっていく感じではないでしょうか。

2013年2月2日土曜日

SBと総合その1

あらかじめ断っておきます。
今回の記事は現役選手にとって不愉快な内容かもしれません。
わかりやすくするためにあえて強い表現をしていますが、誰がどう思っているなどの内容に関しても私というフィルターを通している以上、私に文責があります。
ご理解いただけるとありがたいですが、クレームあればコメントでも直接でも受け付けます。

動画はノービスからC2にかけて使った2003年式Z1000と私です。
当時はSB級として割と将来を期待されてました。たぶん。




モトジムカーナのクラス分けはモータースポーツとしては異色です。

多くのモータースポーツではマシンの規定(排気量、駆動方式、改造範囲など)でクラスが別れます。

モトジムカーナでのクラスは個人実績を元にし、トップタイム比が基準を超えると昇格します。
一度昇格すると落ちることはありません。

アダチ代表のよると「武道の段位のようなもの」だそうです。
確かに、と思う点は多いです。

例えば柔道は、重量による階級分けがあります。
軽量級で初段になって、重量級に移ったからといって、初段がなくなるわけではありません。

モトジムカーナもバイクが変わろうと、クラスは個人の資格としてついてきます。
なので、一昨年まであったNN級(改造範囲が狭い)以外は、マシンレギュレーションはどのクラスも同一でありながら、クラス分けが成立しているわけです。

しかし、ひとつだけマシン規定によるクラス分けがあります。
それが今回のお題のSB級。

SB級以外の規定によるクラスは正式名称はないものの、慣例的に「総合」と呼ばれてます。

SBと総合の車両規定の違いはただ一点。
「排気量700cc以上」のマシンはSB級になります。
(但し例外ありで、NC700は669ccですが主催者認定によりSB扱い。レギュレーションでのHのアレっぷりは商業レースで有名ですが、まさか草レースのジムカーナで見るとは思わなかった。単純に排気量が669ccでいいなら盆栽使用のストリートトリプル675がジムマシン化できるんですが。)

このたった一つの条件ですらギリギリまで裏をかきたくなるのが競技者なのか、いろいろネタがあります。
この排気量はあくまで車検証記載のものなので、ボアアップ等で元が675のバイクを701ccにしてもダメだとか、逆にGSXR-750に600のエンジンを載せ替えてもSB扱いになるのか、とか本気でやるかは別にして、ルールを守りながら最も有利は方法はないかと知恵を絞ったり、ネタにしたりするジム屋は多いものです。


さてこのSB級、総合とは別にA~C2のクラスに関係なく6位までが表彰されます。
さらにSB級だけのSBポイントが付き、SB年間ランキングがあります。
さらにさらに、このSB年間ランキングをもとにA級昇格選考があります。

A級になるには、総合ランキングで上位に入る他に、SBランキングで上位に入る道があるわけです。
ここで悩ましいのが、「どっちが有利か?」「どっちがA級になりやすいのか?」です。

当然のようにその時々で状況が変わっています。
また総合とSBを意識するのは、SBポイントの得られる107%あたりからなので、どんなに早くてもC1級上位以上。
となるとSB級を意識するジム屋は50人位しかいないんじゃないかと思います。
この上澄な選手のSBへの意識は複雑で、選手それぞれが思いを持っています。

この記事を書くきっかけになったのも、総合優勝経験もあるA級選手と飲んだ時の会話でした。

私「もともとビックバイクで始めたし、SBでA級を目指すのも考えるし、今はSBからの方が有利なようにも思えるし」
A級選手「SBでA級を目指すのって、それでいいの?何か違うと感じない?」

ニュアンスの表現が難しいのですが、この選手に限らず総合でトップに絡む選手の何人かは、極端に言えば、総合が一番の激戦であり、SBは逃げ、と感じているように思えます。
「わざわざ遅いバイクに乗るのはタイム追求競技として邪道」とまで書けば書きすぎですが。

実際、同じコースを走ってのタイムは総合(というかNSRやモタード)が明らかに速いので、総合>SBとなるのはわかる気もします。

SB勢はSB勢でやはり極端に書けば「総合とSBは別物」「軽くてあけやすいバイクで速くて当たり前」「重く、大きく、大馬力なモンスターマシンを自由自在に操るのがジムカーナ」と言った思いがあるようです。「小さい軽いバイクに頼って女々しい競技にしたくない。男ならビックバイクをねじ伏せて見せろ」って感じでしょうか。

こっちも確かにそうで、モータースポーツにおいてマシン規定が違う以上、直接タイムを比較しても意味がありません。そしてビックバイクを自在に操る楽しさと技術はジムカーナの発祥から続く中心です。

さらに6年ほど前には最上位の選手(というか約1名)はSBマシンで総合トップを狙い、統一チャンプを目指していました。
統一を目指した面と、単純に750が有利と踏んだ面があったそうですが、この選手はSBも軽量マシンもどちらも心の底から楽しんでいます。

もちろんSBと総合がどっちが上という事は(少なくとも公式には)ないのです。


長くなってきたので、A級選手に怒られない限り次回に続きます。
次回予告「有利なSBマシンはどれだ?」か「SBと総合どっちがA級になりやすい?」

12 JAGE CUP Rd.4

12年度の最終戦でした。


大会本番でフロントが浮くのは珍しいです。
フロントが浮くとビビるんですよね。
フロント浮かせたまま切り返してバイクごと地面に叩きつけられて骨折した事あるし。

さてB級は8人だけの出走。
表彰台で呼ばれるのは6名なので、後ろ残りの2名は悲惨です。

で、7位でした。

走りはそんなに悪くないかなと思ったんですが、動画で見ると細かい所と旋回そのものが遅いですね。
加速とラインで何とか106%台には乗せれていますが、これは経験値のおかげ。
マシンの操作や操縦能力は落ちているようです。

13年度で盛り返せるように頑張りましょう。