とはいえ二輪ジムカーナ自体マイナー競技なのですが。
NSR250Rは1986年デビュー、数度のモデルチェンジを経て97年が最終年式。
当時のGPレプリカであり、サーキット、峠で最速を誇った名機です。
しかし今となっては過去の名車。思い出の中の高性能マシンという扱いが一般的です。
主なレースのカテゴリは4ストロークへ移行し、サーキットでも600以上のマシンがメインに移りました。
走行会レベルでも、いかに高出力の2ストロークとはいえ250です。
カタログ45馬力、チューンして70馬力強では、600クラスの120馬力、リッタークラスの180馬力と国際格式コースで戦うのは無理。
ミニサーキットなどではまだ行けるもののモータースポーツに限ってもその生息エリアは狭まっています。
そんなNSR250Rが今現在もバリバリのトップマシンであるのがジムカーナです。
生産中止から15年経ったマシンがトップと言う他のカテゴリではありえない状態が既に長いのです。
しかもジムカーナA級のトップ勢の駆るNSRは最終のMC28ではなくMC21。90~92年式のマシンです。
現時点ですでの20年落ち。毎年新車乗換えが当たり前のモトクロス選手が聞いたら呆れる事請け合い。
NSRがチャンピオンマシンになって18年以上。その間4ストロークでNSRを打ち負かす選手もいました。しかし2000年以降の12年間ですら、チャンピオンは全員NSRです。
最高でも100km/h程度、平均速度は30km/h位と思われるジムカーナでは出力より軽さ、扱い安さ、小ささがタイムに繋がります。ここでは2ストロークエンジンの優位は大きく、絶対出力があっても重く、大きい4ストでこれを上回るのは難しいのです。
技術の進歩により市販されるバイクの性能はどんどん上がっていますが、2ストロークエンジンの小型、軽量、高出力のメリットは、排ガス、音量規制によってもはや新車に期待する事ができません。
NSR以上の2ストSSマシンの開発がされない以上、別のアプローチをするしかないのです。
もちろん難しい事を考えずにNSRに乗るというのも競技者としては正しい選択です。
しかし私が参戦してからの6年間ですら、NSRを超えるための工夫が様々なマシン、乗り手によって試行錯誤された6年と言えます。
NSR以外に乗る選手のほとんどが「いい加減にNSRを引きずり下ろしたい」「レギュレーションで2ストが消えてNSRに勝てずに終わるのではなく、NSRに勝って超えていきたい」と思っています。
ここ数年は単レースではCBR600RR、CRF450X、ハスクSM450RがNSRに勝っています。
また比較的NSR離れが早く進んでいる関東では、NSRでのA級昇格は06シーズンを最後にしています。
そして昨年行われたJAGE杯ではA級を狙うB級の入賞マシンにNSRはいませんでした。
1位 WR450F モタード仕様
2位 NSR80改 モンスターミニ仕様(CRF用250エンジン積替)
3位 DRZ400SM
4位 SXV450
5位 CBR600RR
6位 SM450R
07年位まではポストNSRの最右翼だった600SSはNSR以上に退潮著しいです。
NSRを2ストエンジンを超えられるマシンは4ストシングル。
NSRに打ち勝って新しいジムカーナを目指すB級勢の答えのようです。
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