ハスクバーナでジムカーナ!

モトジムカーナに参戦しています。
10年度最終戦でB級昇格を決めたDR-Z400SMからハスクバーナSM450Rに乗換てA級を狙っています。

マシンを改造したりセッティングしたり、乗り方を工夫したりする話。
大会でのリザルトと動画が話題の中心です。
モトジムカーナ全般の話もします。

想定する主な読者はハスクSM450Rやモトジムカーナに興味がある方、すでに参戦を始めているジムカーナ選手です。

関東だけでも7台以上、全国合わせれば二桁にまで増えてきたジムカーナ仕様のハスクですが、ジムカーナDRZの元祖のHPのような情報が未だにありません。
これからハスクに乗り換えてみようと思う方やセッティングなどで悩んでいる方と情報共有していける内容になればと思います。

2012年10月18日木曜日

ストリートファイターやSSベースネイキッドがジムカーナに向かない理由

リザルトの悪化に伴い更新頻度が低下する割に選手はわりと読んでいる。
こんなブログですみません。



さてこちらの格好良いバイクですが、私のお出かけ用バイク、トライアンフのストリートトリプルRとジム&ツーリング仲間のドカティのストリートファイター848です。

この2台に限らず、国産ならZ1000、Z750、FZシリーズ、ホーネット600などのいわゆるストリートファイターと呼ばれるSSベースネイキッドは、一般の方(ここではジムカーナの内実を知らない方のこと)にはジムカーナに向いていると思われています。

大きな勘違いです。

ハンター新潟のメンバーから「練習会参加者から質問されるんですけど、答えられないんですよ」と相談されたので、ここで文章にしてしまいます。

ジムカーナと言えばアップハン化されたNSRやCBRが有名です。
でCBRをアップハンにするなら、最初からアップハンでエンジン一緒のホーネット600乗れば良いんじゃないか、ジムカーナに向くんじゃないか、と思うらしいのです。

私の乗るストリートトリプルもブログの試乗インプレやらで「ジムカーナで無敵になりそう」とか書いてあって失笑もの。

ジムカーナでは操作性が良くなるアップハン化は(勝ちたいなら)必須です。
そしてNSRやモタードが強いように、パワーより軽さ重視です。
SSは元々が運動性優先の作りでそこそこ軽い(ジムカーナ的には重い)がセパハン。なのでアップハン化するわけです。

ここで最初からアップハンの~となるわけですが・・・
リザルトから言えば、ストリートファイターの実績は著しく悪いです。
もちろん乗り手の性能が最重要なジムカーナなので、乗る人が乗れば何でもありです。VTR250やZRX1100で総合優勝かっさらう化物もいます。

理由はいろいろあるのですが、SSベースと言ったところで元のSSより遥かにケチられているからです。
ストファイの中で現状最も有利と思われるトライアンフで比べてみます。

ディトナ675 125馬力 185kg
ストリートトリプルR 106馬力 189kg

他のストファイもそうですが、SSベースのエンジンであっても馬力が下がっている事がほとんどです。エンジンに関しては下のトルクが良くなっていたりすることや、ジムカーナでは80馬力超えるとほとんどどうでも良くなる事でまだどうにでもなります。

が、車重。これはキッツイですよ。ディトナはここからカウルを剥ぐだけでさらに軽量化できますが、ストリートトリプルは一苦労です。

さらにサス、ブレーキもコストダウンされてます。
ストリートトリプルはRモデルでやっとラジアルマウントブレーキにダンパー調節機能付きサスが入りますが、素モデルはまったくなし。リアのプリロードしか触れません。
対してディトナはストリートトリプルRを上回る高速低速別調整ダンパー付き。

本気で追い込んでマシンを作ろうと思ったらあらゆるパーツに最高機能が求められます。
ストリートトリプルをディトナ並みに軽量化し、ブレーキ、サスを換装してかかるコストとディトナをアップハンにするコスト、どっちが高いでしょう?
国産ストファイだとレース系の高性能パーツがそもそもない場合も多いです。もちろんSSなら山ほど発売されているわけです。

さらにはコレ、取説もサービスマニュアルも共通=ほとんどの作りが共通のトライアンフ「ですら」の話です。
国産ストファイはエンジンのベースだけが一緒で、サスやブレーキどころかフレームまで違うのが当たり前。
例えばZ1000。私も03年式に乗ってました。9Rベースで和製ストファイのはしりでした。しかしフレームは鉄。サスは伸びダンパーのみ片側フォークで調整可能。ブレーキも・・・
とてもじゃないですが、10Rと戦えません。

ちょうど来年モデルチェンジするZ800の記事が雑誌に出ていましたが、この最新型ストファイにしても、鉄フレーム、ダンパー調節は伸び側のみ。

ようは、エンジンはともかくサスやフレーム、ブレーキなど他のあらゆる部分でSSに劣るのがストリートファイター。競技としてのジムカーナには向きません。


ただし向かないと言っても、ジムカーナを始めるには何の問題もありません。SSの改造はノウハウも必要だしセッティング技術もいるので、ノーマルで走りだす分には向いていると言えます。
しかしC1くらいのレベルから極端に減ってくるのはこういった事情があるわけです。


ちなみにジムカーナで好まれる中間排気量で言えば
SS>>ストファイ≧ネイキッド
な事が多いです。

ストファイよりさらに重い古典ネイキッドのZRX1100、1200、ゼファー750などは過去の積み重ねもありリザルトも悪くありません。
マシン自体のポテンシャルは劣ると思うのですが、こだわりのZRX1200でSBクラスチャンプを取ってしまう例もありました。

また高性能ではないが、乗り手にやさしいVTR250は初心者からA級優勝まで幅広い選手に愛されています。VTRはジムカーナを始めたいという人に手放しで勧められる名車ですね。

二輪ジムカーナはマイナー競技なわりに4輪でメジャーなせいか、内実を知らないで「このバイクはジムカーナに向く」と言われる事が本当に多いです。ブログにしろ雑誌にしろ。

大事なことはイメージで判断せずに、大会のリザルトを眺めてみることです。
本当に向いているなら必ず使われて良い成績を残しているはずですから。



追記:具体例について記事を上げました(http://husqvarnasm450rgymkhana.blogspot.jp/2013/02/ss.html)